うしろすがたのしぐれてゆくか
もう20年以上前、池田遥邨展(いけだ ようとん)展に行った。
それから20年余を過ぎてなお胸に思い描く一枚が、
「うしろすがたのしぐれてゆくか」
である。
80歳半ばをすぎてスランプから脱し、
種田山頭火の句に深く共感し,魅せられて、
ふたたび絵筆をとった池田遥邨の熱い気持ちがこもった一枚だった。
最晩年の池田遥邨の、山頭火の句に呼応する画すべてが
強烈になにかを語っている気がした。
ながく余韻を楽しむことができた個展であった。
*
夕景に月が小さく光っていた。
わたしはそれを見上げて
「うしろすがたのしぐれてゆくか」
とつぶやいて、
90歳近くなり、自分を熱く鼓舞してくれるものと出会えた
池田遥邨をしあわせな画家だと思った。
*
ブログは、
おなじ夕空を見上げていても遠くはなれている、
友人や大好きな人とわたしをつないでくれる。
わたしは元気にしています。
きょうもおいしくパンが焼けました。
いつもとなにも変わっていません。
またきっと、会いましょうね。
ブレッド&サーカスでした。